岩手の快適住宅のために - 市民住宅会議2011 開催

菅原

続きまして、2009年に審査員特別賞を受賞なさった細田さまご夫妻、「住む人にも環境にも優しい岩手型住宅」のご紹介です。

細田

だいぶ昔の話になってしまいまして、この当時、デフレが長く続いたので、もうインフレになったんだ、だから住宅ローンを組んでもいいんじゃないかと思ってやったら、未だにデフレが続いてる。

これが一つ目の誤算でして。

もう一つが、先輩に「嫁が来たら家を作ったらいいじゃない」と長い間言われていたんですが、もういい歳になって、来るか来ないか分からないもののために、家を作るのを待っててもなんだということで、作ったんですね。そうしたら、作った後に妻をめとる事ができまして、非常にめでたい話だったんですが、そういう経緯で作った家なので、もっとも僕がこだわったのは、いかに楽に暮らせるか、というところを重点的にやっております。

細田

例えば、情報処理コーナーというのがありますが、ここにパソコンとか本棚とかDVDとかAV機器などを集中させました。そうすると、情報処理コーナーの所によしんば本がガサっと積み上がっていても、あんまり汚く見えないんじゃないか。逆にクローゼット室と家事洗濯室というのがありますが、ここを続きにすることによって、ここに洗っていない洗濯物が積み上がっていても、今からやるんじゃないかという雰囲気が醸し出せるんじゃないか。そういう感じで、どれだけ家事労働を軽減できるか、と言う事にこだわったりしています。

もちろん、県産材の利用とか薪ストーブを使うとか、日射のエネルギーの有効活用とかいろんな事をやったわけですが、基本的にはそんな感じです。

見ての通り、真ん中に薪ストーブがありまして、暖房はこれ一つです。エアコンは入っていません。

外側は、裏が山で、目の前が牧草地という立地になっています。あえて土間を設けまして、農作業や草刈りとかをした後に、この辺で休んだりできたらいいんじゃないかなということで、外と中、きっちり断熱している空間と外の間という、ちょっと曖昧な空間を作ってみました。

台所に関しても、そんなに料理やらないんじゃないかということで、あえて棚の数などは少なめにしています。

屋根の断熱が468ミリということで、僕は電気屋としても施工に参加したのですが、図面を見て「や、こんたにか、こんたにいるってかっ」と言ったら、とある人が「これから断熱材の厚さはこれがスタンダードになっていくんだよ」と言われて、「はぁそんなもんですかね」といって、こんな厚さになりました。

風もうまいことやってます。雪が深いところで、冬になると居間の真ん中あたりまで日差しが入ってきます。逆に夏は日差しが入らないように、庇の長さを計算しています。

菅原

最初っからエコハウスを建てようと思っていたのか、こういう流れでエコハウスに取り組むことになっていたのか、それぞれのご家庭で「エコハウスに取り組むきっかけ」などありましたら教えて下さい。

最初からエコハウスを建てようと思っていたのでしょうか?まず細田さんからいかがでしょうか?

細田

いや、正直そこまでは考えていなかったというか、家のとっかかりって、みなさんどうだかわかんないですけども、おぼろげに、どんなものが欲しいかぼんやりしてるんですね。あまり像を結んでいないというか。

こういうのが欲しいということで、設計さんとか工務店とかを探しているわけではないと思うんですね。

私の場合はアパートに住んでいたので、違うアパートに引っ越すとか、どこかで中古住宅を買って住むとか他のいろいろな選択肢を含めて検討している中で、じゃぁ家を建てようということになりました。

一番最初のとっかかりというか、住む場所を変えようと思った時のとっかかりでは、エコハウスというのはあまり切り口になってはいなかった。だんだんやっていく中で像を結んできました。

菅原

今日の三家族の中で、唯一ひとりで物事を進められましたが、ご自分の意思一つでということだったんですよね。

細田

滝沢に住んでいましたけれども、盛岡の大通りに引っ越したほうが遊びに行くのに便利なんじゃないかとか、滝沢の奥に住んでいる方が通勤に便利なんじゃないかとか。

そういうところが最初のとっかかりです。

戸建てを建てましょうと考えてから、そっからどういうのをやっていこうという過程で、「断熱性能を高いものにしよう」とか、「熱源を何にしよう」とか、「材料を県産材にしよう」とか、そういう話は、だんだんと後から積み上がっていった感じです。

これを取り込もうとか、これは断念しようとか、これは涙を飲んで諦めようとか決まっていきました。

菅原

奥様は後から選びようがない状態でいらした身として、そのへん感想も含めいかがですか?

細田(妻)

最初「薪ストーブです」と言われて、家に行ってみて暖房は「薪のみです」と言われたときには、「薪はどうするの?」とか「誰が割るの?」とか心配はあったのですが、やってみると、割れば割れるもんだなということで、大丈夫でした。

細田

一番最初は「薪ストーブだけど、僕が薪を割って焚くよ」みたいなことを言うじゃないですか。今はほとんど75%くらい奥さんが薪を割っています。

エココンサポーター