本間義規
第3回:本間義規(実行副委員長)

寄せる思い

審査委員会・実行委員会の方々に、岩手県の住環境・自然環境・エコハウスなどについて、「寄せる思い」を語っていただくコーナーです。第3回目は岩手県立大学盛岡短期大学部生活科学科で、エココン実行副委員長の本間義規さんです。

Q. 専門は?

佐々木先生と同じ講座ですが、どちらかといえば、正確に実験や測定をする事が好きですね。そういう細かいことをきちんと詰めるようにしています。

Q. 岩手の寒さ?

北海道とそれほど変わりません。むしろ住宅の性能は北海道の方が高いので、北海道の方が冬暖かく暮らしているくらいです。地域条件で言えば、岩手も北海道と同じように断熱気密は必須の地域です。

Q. 岩手で建築を学ぶ?

岩手には本学以外に建築関係の大学がありません。また、一般の建築学科には「寒さ対策」を勉強するコースなどがほとんど無いのが現状です。寒い地域の家を設計し建築する、寒い地域だからこその住宅技術者を育てたいと思っています。例えば、せっかく関東の建築学科を卒業して岩手に帰ってきたとしても、「寒さ」について真剣に勉強してこない場合が多いのです。寒い地域には寒い地域なりの設計ノウハウ・生活ノウハウがあります。それらを理解して、設計や施工にきちんと反映できるスペシャリストが増えて欲しいと思っています。また、行政の中にも、そのようなスペシャリストが増えて欲しいと思っています。まだまだ先の夢ですが、研究として長く取り組める研究所や組織体制を作っていけたらなぁと思っています。

Q. 家を見るときに

例えば、家の中の臭いなどは気になります。いわゆる「生活臭」というものですが、建築材料によっても家の中の空気も変わってきますし、住宅の換気の状態によっても変わってきます。職業柄、そのような空気の臭いや空気の流れなども気になりますね。

Q. 住宅の評価について

今回のエココンは持ち家・一軒家をメインとしたコンテストですが、世の中には賃貸住宅に住んでいる人もたくさんいます。賃貸に住んでいる多数の方々にも、何らかの指標を示していければと思っています。賃貸だけでなく、盛岡にはマンションも増えましたが、寒くないアパート、寒くないマンションはどうやって見分けますか?アパートを借りるときに、どんな判断基準で決めているでしょうか?

エココンではQ値(熱損失係数1.6)以下の住宅を一つの基準にしていますが、あなたが借りている部屋の熱損失係数などは分かりますか?Q値によっては、冬期間の暖房光熱費に大きな違いが出てくる場合があります。

せっかくお得な家賃の物件を見つけたのに、寒く水道が凍るような部屋ならば、光熱費や余計な出費がかかってしまうかもしれません。それならば、少し家賃は高いけど、熱損失係数の低い、より快適な物件を選んだ方がいいかもしれません。今は、それらの数的な指標が無い状態で、アパートを借りる場合の重要事項説明書などにも寒さに関する記載はありません。後々は、それらの基準も作っていければとも思っています。

Q. ソフトウェア?

住宅の設計において、高性能な家を建てるには、いろいろな数値計算が必要です。会社規模の大きいビルダーなどは、専門の部署があったり、専門のコンピューターを持っていたりしますが、地方の小さな工務店などは、それらの計算にとても苦労しています。例えば「結露計算」などは、とてもハードルが高く、小さな工務店ではなかなか出来ないかもしれません。

それらを解決するような、誰でも簡単に使えるようなソフトウェアも作っていきたいと思っています。例えばGPLライセンスなどで公開し、誰でも自由に使えるようなものをイメージしています。そのようなソフトウェアが広まれば、例えば岩手の小さな工務店でも、とても高性能な住宅をより簡単に設計することができ、大手のハウスメーカーにも負けないような住宅を建てることができます。それらが岩手の住宅性能の向上にも役に立つと思っています。そんな地域貢献をしていきたいと思っています。

地域の工務店が元気になる、自分の住んでいる地域で生き延びていけるシステムが、これからの世の中に必要になっていくと思います。

Q. 最後に

そのような意味でも、それらを研究や実験したり、技術者を育てていくような仕組みや体制を作っていかなければならないと思っています。エココンを一つのきっかけとして、寒い地域でもより快適な生活をおくる人が増えて欲しいと思います。